Web API とは

標準の Web API で全ての情報にアクセス

Web APIという言葉に明確な定義はありませんが、簡単にいえば、標準的なWeb技術を利用したAPIということです。Web APIで機能を公開しているサーバに対して、オープンなインターネットを通じてHTTPプロトコルでリクエストを送信すると、処理結果がHTTPレスポンスの形で送られてきます。送受信されるデータの形式はAPIによって様々ですが、Webでよく用いられるXMLやHTML、JSON、あるいは画像処理のAPIでは画像ファイル形式、音声のAPIであれば音声ファイルなどが用いられます。最近のAPIでは、よりシンプルなJSON(JavaScript Object Notation)形式が多くなってきています。また、ネット上のリソース(URL、エンドポイント)に対してGET, POST, PUT, DELETEリクエストするREST APIが標準的になってきています。このような標準的なWeb技術を用いることにより、APIを通じたデータへのアクセスが、どこからでも、シンプルにできるようになります。

ITの戦略的活用がすすむ現在、「API」のテクノロジーが注目されています。FacebookやTwitterのようなテクノロジー業界をはじめ、金融業界でも「Fintech」が注目され、APIによって自社のデータを外部に公開する企業が増加しています。ここで使われるテクノロジーは標準のhttpプロトコルとREST APIです。この標準的なAPIによって、クラウドでもIoTのデータでもエンタープライズのデータベースでも、統一されたシンプルな方法でアクセスできるようになります。

APIとは

API という言葉は Application Programming Interface の略で、2000年以前のWindowsや、それ以前のメインフレームなどのコンピューティングでも使われてきた技術です。これが注目されるようになったのは、2000年前半のAmazonのStore APIや、それを追ってFacebookやTwitter、SalesforceなどがAPIをインターネット上で使えるようにして広まってきた経緯があります。このAPIをネット経由で利用する方式が広まるに連れ、その便利さが理解され、例えば、ネット上でビジネスをするとしても、ログインはFacebookやTwitterのIDを使い、メールの配信にはSendgridを使う、コールセンターはTwillioを,さらに決済はPayPalを使うといった形でAPIを活用することで、システムやプログラムの開発費用や期間を大幅に短縮できるようになります。APIをビジネスに活用した企業の代表が、Salesforceで、APIを利用する数百万の他社アプリによるエコシステムによって、サイトのトラフィックの半分以上がAPI経由だといわれています。

デジタルビジネスとAPI

一方で、近年のデジタルビジネスの隆盛により、APIのビジネスへの活用がさらに進化しています。例えば、タクシー配車サービスで有名なUber(ウーバー)は、APIで他社アプリに乗車リクエストボタンを簡単に設置できるようにして、タクシーの利用者とアプリの提供者の両方にメリットを提供しています。Uberのような、既存のビジネスをデジタル化する企業にとっては、ソフトウェアによるユーザーエクスペリエンスの提供が最重要であり、自社のサービスをAPIと開発者のエコシステムによって広く普及させることが狙いです。APIを公開することによって、自社のサービスを他社のアプリに埋め込むことが可能になるのです。昨今、話題となっている金融業界のFintechにおいても、さまざまなサービスをAPI経由で提供することがあたりまえになってきています。