API管理製品比較にあたって必要な視点 「オープンソース、ベンダー力」

By webapi.tokyo – 2021年8月27日

前回の記事に続いて、本記事もAPI管理製品を比較・検討するための視点をご提示していきます。
今回は、第6の視点として
【オープンソース】、第7の視点として【ベンダー力】について考えるべきポイントについて記事にしました。

視点6. オープンソース

GAFAのような巨大IT企業のシステムは言うに及ばず、企業システムにおいてもオープンソースソフトウェア(OSS)への依存度が高まっています。

取り上げているAPI管理ソフトウェアの中では、Kong(のゲートウェイ)と3scaleがオープンソースソフトウェアで、他は非オープンソースです。

特にKongは2億回以上ダウンロードされており、オープンソース系技術者にはポピュラーなものになっており、ゲートウェイの主要機能などはすぐに試すことができます。これによってKongはオープンソースならではのエコシステムが形成され、年々拡大しており、オープンソースのモニタリングソフトウェア「Prometheus」や自動化ソフトウェア「Terraform」など様々なソフトウェアと連携することができます。

KongとPrometheusの連携の例

オープンソース系のソフトウェアについて「サポートが心配だ」という企業が少なからずありますが、Kongについては、米Kong社と日本のブリスコラ社がサポートしているのでサポートにまつわる問題はありません。

また、オープンソースソフトウェアの大事なポイントは「クラウドとの親和性の高さ」です。AWSやAzureなどのクラウドにおいてはLinuxのOSにApacheやMySQLなどを組み合わせるのがベストプラクティスであり、「クラウドが得意なエンジニア」はオープンソースのソフトウェアをよく知っていることが多いです。したがって、オープンソース系であるKongや3scaleは、さまざまなクラウドとの親和性が高いのです。また、クラウドが得意なエンジニアには扱いやすいソフトウェアだといえます。オープンソースでないソフトウェアの場合は当然ながら、ベンダーのエンジニアに支援してもらうか、ベンダー独自の技術を一から学ぶか、ということになってしまいます。このあたりは製品価格とは別の「隠れたコスト」となります。

視点6. ベンダー力

国内企業がAPI管理ソフトウェアを導入するにあたっては、製品ベンダーの力も考慮する必要があります。
現在、主要な製品は、AWS、Google、Microsoft、IBM、Red Hat、Salesforceが提供しており、いうまでもなくこれらの大手ベンダーの力は揺るぎなく、心配する必要はありません。取り上げた製品の中では、唯一、Kongだけが独立系ベンダーですが、2021年2月に海外投資ファンドから約110億円の資金調達に成功しており、当面は心配する必要がないと思われます。

これらの海外系ベンダーは強力な製品開発力とサポート力が売りですが、一方で、日本企業が求めるような高度にカスタマイズされたサービスメニューがないために、導入やカスタマイズや運用などで「かゆいところに手が届く」サポートが必要であれば、個別に日本のパートナー企業に相談する必要があります。
これは具体的には以下のようなポイントです。

  • 導入サポート 導入支援のサービスはあるか、費用感はどのようなものか
  • カスタマイズ 認証系との統合、監視ソフトウェアとの統合、既存システムとの統合
  • 運用サポート どのように運用したらよいかアドバイスはもらえるか

株式会社ブリスコラでは日本企業のニーズにあわせた支援サービス、コンサルティングサービスなどを提供しておりますので、こちらのページでご確認の上、ご不明な点などありましたら、お気軽にお問合せください。