API管理製品比較にあたって必要な視点 「API開発支援機能」

By webapi.tokyo – 2021年8月18日

前回の記事に続いて、本記事もAPI管理製品を比較・検討するための視点をご提示していきたいと思います。
今回は、第5の視点として
【API開発支援機能】について考えるべきポイントを提示いたします。

 

視点5. API開発支援機能

APIファーストのシステムにおいては、アプリケーションは「バックエンドのAPI」と「フロントエンドのアプリ」に分割され、バックエンドもフロントエンドもプログラミング言語は好みのものを使用できます。
例えばJava言語で開発したバックエンドAPIでエンタープライズのデータを抽出し、iPhoneならSwift言語で開発したアプリで利用する、AndroidデバイスならKotlin言語で開発したアプリから利用する、といった柔軟でモダンなIT環境を実現できます。

API管理ソフトウェアの多くは、バックエンドのAPIの開発支援機能を提供します。
MuleSoftやIBM API ConnectにはレガシーシステムからREST APIを生成する機能を提供しており、また、Azure API Managementには既存の.NET系アプリをインポートしてAPI化する機能を提供してレガシーな資産をAPIとして再利用することができます。

Kong Konnect (Kong Enterprise)には Insomnia というAPI開発のためのツールが用意され、MuleSoftはフルセットの機能を開発ツールを提供します。
また多くの製品はAPIの定義ドキュメントを作成するための支援機能を提供します。

しかしながら、これらのAPI開発支援機能は、既存の開発環境との整合性や親和性を考慮して取り入れていく必要があり、現時点において、これをもってAPI開発が劇的に進化すると考えるべきではありません。

まず、確認すべきは
1.バックエンドのAPIを誰が開発するのか?
2.それは自社内か?
3.SIや受託開発の会社か?
ということです。

バックエンドのAPIを開発するのが自社内のプログラマーであれば、API管理ソフトウェアの開発支援機能がどれだけ「使えるか」「自社に適合するか」を検証してもらう必要があります。

バックエンドのAPIを開発するのがSIや受託開発の会社のプログラマーであれば、会社と会社の交渉として、このようなAPI管理ソフトウェアの開発支援機能がどれだけ「使えるか」「自社に適合するか」を検証してもらう必要があります。これは自社内でプログラマーを抱えるケースよりもハードルが高くなるでしょう。

実は、APIファーストのシステムに移行するにあたって、もっとも重要なのが開発体制をどのようにAPIファーストに適応させていくか、ということなのです。

これは、API管理ソフトウェアの選択や運用といったトピックとは違った次元の話になります。

弊社ブリスコラでは、このようなお客様のお手伝いをできるように「APIの標準化支援」などのサービスメニューをご提供しておりますので、お悩みの場合には、ぜひともご相談ください。